播磨風土記で川辺の里と呼ばれた由縁の川は、市川ではなく小畑川だった。
小畑川の源流は地元でコゼと呼ばれる谷に遡り、山北の神崎町とを隔てて屹立しているのがコゼ山である。
(本編では「コデ」と記載してきたが、古来、この地域ではダ行とザ行の発音の区別がつかない。神崎郡は「カンザキグン」だが、この地域の人が発音すると「カンダキグン」となってしまう)
地元で「コデ」と発音されてきた谷はコデ山の麓に当たり、小畑川の源流の一帯をさす地名で、小畑の人々は朝に夕に地域の北端の山を眺めて暮らしてきた。戦前から終戦後の時代にかけて、村落から数キロあるこの山へ、炭焼きに出かけていたという。
だが、この「コデ」の意味を知る人は一人もいなかった。
昔から、そう呼ばれ伝えられてきた地名だからだ。
そして、「コデ」、または「コゼ」という言葉は広辞苑にも載っていない。
当用漢字にはない言葉なのである。
ところが、この意味が解けた。
広辞苑には掲載されていなかったが、偽書と言われる竹内文献にこの言葉が登場するのである。
竹内文献には、「コゼ」という言葉で登場する。
風の名前だったのである。 「コゼ」とは、「東の風」をさす言葉である、という。
たしかに、小畑の「コゼ」は東小畑の北端にあり、東からの風が来るところかもしれない。ちなみに、
イコゼ・・・・東南の間の風
マゼ・・・・・南風
ヤマゼ・・・南西間の風
ナゼ・・・・・西風
アナゼ・・・・西北間の風
ヨゼ・・・・・・北風
コヨゼ・・・・北東間の風
■そして、これらの言葉のいくつかは日本の各地で今でも使われていたのである。
参考リンク⇒ご覧ください。
マゼという単語は広辞苑には出ていません。
しかしこの言葉は高知、宮崎、鹿児島県地方の漁師さんの間で昔から使われていた言葉です。
意味は、「南の風」 参考リンク⇒ご覧ください。