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頂上の方位石から現われた十六方位の先に存在したのが、竹内文献に古代天皇の陵墓の山と記された山々であり、記紀の国生み神話に登場する国々だった。
この不思議は何なのかー?
様々な彷徨の末にたどり着いたのが風土記姫路伝承だった。
風土記に記された姫路十四丘伝承は、単なる地名伝承ではなく、壮大な謎を秘めていた。 |
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姫路伝承の
ホキ
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伝承から現われたのは大地に描かれた三角形ーホキであり、流域へ誘う案内地名だった。
伝承に記されたのは、八つの大きな丘と六つの小さな丘・・この話は、記紀冒頭の国生み神話に酷似している。
記紀の国生み神話で現われるのも、大八島と六つの小島だった。
ところが、ひとつ異なる点がある。
姫路伝承ではその最初に現われる丘があり、それがホキの三角形の頂点にあった。
山の名は、八丈岩山・・この山名には、三人の神が示唆されている。
この三者が行き着く先の場所でもあり、ホキのホ・・になっている。
本編ではこのあと、前作で追えなかったもうひとつの流域をさかのぼっていく。そこから現われるのは正にホキ・・・、
日本列島草創のホキであり、三人の神々が行った列島最初の国づくりが現われる。
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国生み神話の冒頭 |
この存在を記紀の国生み神話に当てはめるとー、
国生み神話の冒頭に現われるのは、水蛭子と淡島・・ここには二者が記されているのだが、イザナギとイザナミは、
水蛭子は葦舟に乗せて流してしまい、淡島は出来が悪くて数に入れない。この記述の謎が解けていない。
後世の歴史家は水蛭子を「ヒルコ」、蛭のような骨のない子供と解釈し、淡島を「アハシマ」と読んで所在不明とした。
だが、この記述が国生み神話の冒頭にある以上、「蛭のような骨のない子供」などという馬鹿げた解釈は生まれてこない。
島なのか国なのか、何れかの場所を表わしていることは間違いない。「葦の船に入れて流した」という記述に完全に惑わされているのだ。
淡島(アハシマ)なら淡路島かと思うのだが、その次に造るのが「淡道之穂之狭別島(あはぢのほのさわけのしま)」で、こちらが淡路島に比定されていく。
淡島(アハシマ)が淡路島なら二重記述になる。
これはもしかしたら、アハシマと読んでいること自体に誤りがあるのではないかー。
漢字は当て字で意味はない。
特に、地名に充てた漢字はまったく意味がなく、その発音を伝達している。
そうー、なのだ。
水蛭子も淡島も、列島草創のホキに関係した重要地点を示している。
それはこの漢字の読みにある。
しかも、古事記の書き手は、充てた漢字にも意味を持たせて、その所在位置をも示唆している。
記紀は、事実の古代史を覆い隠す目的を持っていたらしい。それが、命令者の意図だった。
だが、実際に携わった製作者たちには、自らの行為に疑いを持った者もいたらしい。
自らが、歴史の記述者であるという誇りを捨て切れなかった。命令者の意図を汲み、確実に覆い隠したように仕上げながら、実は、本来の事実を読み解くヒントを組み込んだ。
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水蛭子と淡島 |
記紀は記している。
水蛭子と淡島を造ったが、これを流した・・つまり、隠して見えなくしたと書いている。
ところが、一見、淡島(アハシマ)とは淡路島ではないか?・・と、簡単に見えてくる・・・のだがー、このあと、古事記は淡路島を作ったと記し二重記述にしている。
淡島(アハシマ)が淡路島のことではないことになってくる。
隠したものなら見えなくて当たり前ー、
隠したものが簡単に見えたことが問題なのだ。
見えているのは何故なのか・・ここに疑問を持たなくてはならなかった。つまり、これがヒントだったのだ。
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古事記のヒント
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淡島(アハシマ)の充て漢字は作者の重要ヒントであり、書き手が見せたかったのは、淡路の位置だったのだ。
古事記ではこのあと、大八島と六つの小島を生む。
それが、淡路島・伊予(四国)・隠伎・筑紫(九州)・伊伎(壱岐)・津島(対馬) ・佐度島・大倭(本州)の八島であり、吉備児島・小豆島・大島(周防)・女島・知訶島・両児島(男女群島)の六つの島とされる。
淡路島を中心に十六方位を描くと、ご覧の通りー、
淡路島の東西ほか、ほとんどの方位に作られた島があることが分かるだろう。
・・・・・・・!
お気づきになっただ・・・だろうか。
ー作られた島のない方位がひとつある。
ここに気づけば、「水蛭子と淡島」に思い当たるものがあることに気づくー。
だが、後世の学者はこれを読み解けなかった。
書き手の残した重要ヒントが読み解けなかったのだ。
はたしてあなたは、お気づきになるだろうか?
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